
こちらの記事ではコミック『暁のヨナ』7巻の評価、感想等をまとめています。ネタバレ感想がありますので未見の方はご注意ください。『暁のヨナ』は、草凪みずほによる日本の漫画作品。作品タイトルロゴ内には『YONA -The girl standing in the blush of dawn-』という英語表記も含まれている。 『花とゆめ』にて、2009年17号から連載中。2014年10月より2015年3月までテレビアニメが放送された。
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『暁のヨナ』概要
『暁のヨナ』とは
2009年より『花とゆめ』にて連載を開始した少女漫画。2014年10月にアニメ化、2016年3月に舞台化している。古代アジアをモチーフにしたファンタジー。現在も連載中。
総合評価
ストーリー
ヨナとユンが動き出し、ヨナが上げた花火を合図にクムジとの決戦が始まる第7巻。序盤から中盤までは緊迫したシーンが続き、一息ついたと思いきや意外な展開が待っています。すっかり構成が巧みになったようです。
絵の綺麗さ
戦闘シーンもだいぶ巧みになったようで動きのある絵がよく描かれています。戦闘シーンがメインの漫画ではないと思いますが、戦闘シーンも重要な漫画ですので評点が高くなります。
読みやすさ
緊迫したシーンの続く第7巻ですが、その埋め合わせなのか巻末にギャグメインの回が収録されています。これでバランスが取れて疲れすぎない構成になっています。
面白さ
展開にハラハラさせられっぱなしの第7巻。戦闘シーンメイン、さらに言えば場面展開の都合上、主に活躍するのはジェハのため、ハク・キジャの戦闘シーンをたっぷり見たい人には少し寂しいかもしれません。とはいえ面白さは十分です。
入手しやすさ
コミック版のほか、電子書籍が用意されています。ネット配信サービスで『暁のヨナ』を扱っているのは『コミックシーモア』だけのようですが、自分の読書スタイルにあわせて読むことができます。
ネタバレ感想(ネタバレ注意!)
阿波の娘ユリという同行者も得て、作戦決行のため動き出すヨナとユンから物語は始まります。早々にピンチに見舞われ、なんとか花火を上げたものの殺されかかったヨナとユンを、助けに現れたのはジェハとシンアでした。2人の奮戦もあり傭兵たちは次々無力化され、クムジは矢に射られて海へ沈み、戦いの夜は終わります。
この後の心臓に悪い展開も語りたいのですが、この巻の見どころの一つが、ジェハとギガンの別れのシーンであることは間違いないでしょう。以前、男女問わず老人・中高年のキャラクターはうまく描くと作品に奥行きを生み出す、と書いたことがありますが、それはその老人あるいは中高年のキャラクターが、作中世界、主人公たちが生きて活躍する前から積み重ねてきた時間を読者が想像することで、自然と物語に奥行きが生まれるからなのだと思います。この5・6・7巻で登場し、物語を動かしてきたギガンという老女は、いったいどんな半生をこの人は歩んできたのだろう、この人が生きてきた高華は、どんな国だったのだろうと思える、大変素晴らしいキャラクターでした。
最後の一話は緊迫続きだった緑龍編の直後だったからか、ギャグメインの息抜き回が収録されています。オチに思わず笑ってしまいました。
次巻以降はどんな物語が繰り広げられるのでしょうか。
おすすめポイント
『暁のヨナ』7巻のおすすめポイントは以下の通りです。
クムジを射るヨナ
海に落ちたジェハを射ようとするクムジを、怯むことなく射り、とどめを刺したヨナ。世間知らずのお姫様であり、殺生に関わらないで欲しいとの願いから父王イルに武器を持つことすら許されなかったヨナが、ジェハを守るためにクムジを射殺すこのシーンは、ヨナの中でも覚悟が定まった瞬間なのでしょう。非常に印象深いシーンです。
ジェハとギガンの別れの会話
もともとこの2人の妙味は2人で交わす会話の応酬に集約されるのですが、それにしてもこのシーンのギガンは素晴らしくカッコよくて惚れ惚れしました。作中で人となりは存分に示されても、過去などが深く語られることはなかったギガンですが、どんな半生を歩んできたのだろうと想像力をかきたてられます。
気を抜いた直後に出てくるスウォン
そして決戦が一段落した朝、ヨナが読者が気を抜いた瞬間に、唐突にスウォンが登場します。さすがにこの展開には度肝を抜かれましたし、「心臓に悪い!」と思わされました。未だヨナへ対して何を思うのかわからないままのスウォンと、スウォンに対峙して剣を抜くことができず、別れた直後に慟哭するヨナ。クムジを射るヨナがどこかに行きかけるほど印象深いシーンでした。
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