こちらの記事ではコミック『暁のヨナ』2巻の評価、感想等をまとめています。ネタバレ感想がありますので未見の方はご注意ください。『暁のヨナ』は、草凪みずほによる日本の漫画作品。作品タイトルロゴ内には『YONA -The girl standing in the blush of dawn-』という英語表記も含まれている。 『花とゆめ』にて、2009年17号から連載中。2014年10月より2015年3月までテレビアニメが放送された。
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『暁のヨナ』概要
『暁のヨナ』とは
2009年より『花とゆめ』にて連載を開始した少女漫画。2014年10月にアニメ化、2016年3月に舞台化している。古代アジアをモチーフにしたファンタジー。現在も連載中。
『暁のヨナ』2巻 総合評価
ストーリー
前巻ではなかなかストーリーが進まず、いつになったら話が進むのだとすら思いましたが、今作ではとりあえずの目標が提示されているので読者も楽です。ただ、1巻の反動か、若干駆け足で内容を進めてしまった感じがあります。1巻の進行速度と2巻の進行速度を足して二で割ったらちょうど良いさじ加減なのですが……。3巻から作者さんもペース配分に慣れてきたのか、適度な進行速度になっています。
絵の綺麗さ
1巻から比べると山や谷など書き込みを必要とする場面が増えているのですが、きちんと読めるレベルの作画が保たれています。
読みやすさ
駆け足気味ではありますが、相変わらず一話一話の読みやすさはきちんとしています。
面白さ
日常描写が減ったためか、1巻と比べると恋愛シーンは少なくなったので恋愛マンガだと思って読み進めた人は首を捻るかもしれません。冒険マンガを読みたくて読み進めてきた人にとっては、物語が始まる前段階を感じ取れて、ストレスなく読み進められるでしょう。ただ、もう少しじっくり読みたかった、掘り下げて欲しかった、と思う箇所が何箇所かあり、展開が駆け足気味なのは否めません。
入手しやすさ
コミック版のほか、電子書籍が用意されています。ネット配信サービスで『暁のヨナ』を扱っているのは『コミックシーモア』だけのようですが、自分の読書スタイルにあわせて読むことができます。
ネタバレ感想(ネタバレ注意!)
ようやく物語が動き出す第2巻ですが、それでも全体としては準備運動のような位置づけの巻なのでしょう。本格的な冒険は次巻からで、この巻ではヨナとハクが次の目的地へ旅立つまでの経緯が主に描かれています。
物語は前半と後半で大きくわけることができ、前半は風の部族でのヨナとハクの様子、後半ではヨナとハクが追っ手に追われ、それをどう切り抜けるかが話のメインとなります。
後半の、ヨナとハクが追っ手に追われ、それを2人がどう切り抜け、またその過程で何を思うか、ヨナがその過程でどんな成長・決断を見せるかという一連の流れは大変見応えがあるのですが、問題は前半。一言で言うと、「もったいない!」。風の部族は個性豊かな登場人物が多く、また今後の展開で再登場が明言されているにもかかわらず、掘り下げが甘く不十分で物足りません。
比較的掘り下げが深かったのは、ストーリーの進行上キーキャラクターとなるハクの弟テヨンと祖父(義父?)ムンドクのみ。この2人ですら、もうちょっと掘り下げて欲しかったなあ、交流が見たかったなあと思うのですから、風の部族の皆がどんな扱いを受けているかは推して知るべきでしょう。
おそらく、2巻は後半をさわりだけに留め、前半をもっと掘り下げるべきだったのではないでしょうか。この先掘り下げて語られる機会がまたあるだろうことが救いですが、その点が残念でした。
おすすめポイント
『暁のヨナ』2巻のおすすめポイントは以下の通りです。
ムンドクの妙味がたまらない
ハクの祖父(義父?)であり師であり、ヨナとスウォンにとっても祖父のような存在であるムンドク。1巻からその存在は描かれていましたが、2巻ではさらに掘り下げがあり、厳格な外見とは真逆の温かい人柄が丁寧に描かれています。男女問わず老人や中高年のキャラクターがしっかり描かれている作品は、作品に奥行きをもたらしますが、この先ムンドクのようなキャラクターは何人登場するのか楽しみです。
後半のヨナの、一皮向けた感じがとても良い
城にいた頃はいかにもなお姫様であったヨナが、一連の騒動から来る虚脱状態を抜け出し、更には追っ手に追われる中で、自分なりの芯を確立するのが2巻なのですが、この自分なりの芯を掴んだ瞬間の、ヨナの表情がとても良いです。王の風格が漂っていました。必見です。
ユンとイクスが登場する
2巻の最後にひょいと登場するユンとイクスは、3巻以降で重要な役どころを担います。その顔見せとしては十分な内容が描かれていて、3巻以降への期待をかき立ててくれます。
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