どうもKozatoblogです![author_box label=”この記事を書いた人]
2017年に公開され当時から人気のあった能年玲奈さんが
干された?と話題になっているタイミングで
この名作が生まれました。
アニメ映画では戦争をテーマにしたSF映画やファンタジー作品は数多くありますが
史実を基にした戦争映画は少ないですよね?
「はだしのゲン」や「 火垂るの墓 」
今回ご紹介する作品は女性”主婦”が主役だという事がキーポイントです。
戦時中、戦争に参加し。命を落とす男たちではなく。
日本に残り戦争を体験し、大切な人を失う辛さ、日々を少ない食料の中工夫を凝らして戦う主婦の物語。
今まで見てきた戦争映画ではフォーカスされなかった苦悩の部分をリアルに描かれたアニメ映画【この世界の片隅に】。
評価、感想を交えながらお伝えしたいと思います。
【この世界の片隅に】あらすじ
どこにでもある毎日のくらし。昭和20年、広島・呉。
すずは、広島市江波で生まれた絵が得意な少女。
昭和19(1944)年、20キロ離れた町・呉に嫁ぎ18歳で一家の主婦となったすずは、あらゆるものが欠乏していく中で、日々の食卓を作り出すために工夫を凝らす。
だが、戦争は進み、日本海軍の根拠地だった呉は、何度もの空襲に襲われる。
庭先から毎日眺めていた軍艦たちが炎を上げ、市街が灰燼に帰してゆく。
すずが大事に思っていた身近なものが奪われてゆく。それでもなお、毎日を築くすずの営みは終わらない。そして、昭和20(1945)年の夏がやってきた。
【この世界の片隅に】 あらすじ+感想
主人公”すず”の人柄がこの作品の素晴らしさを際立てています。
小さな町の世間知らずな彼女、いつもおっとりしていて嫁ぎ先姉の娘( 黒村 晴美 )小さな女の子ですが晴美ともすぐに仲良くなります。
故郷の海辺で絵を描く事が好きでいつものんびりしているすずにとって幸せな時間でした。
しかしある日嫁ぎ先となる 北條 周作 と婚儀を経て故郷をはなれて生活するようになります。
おっとりしているすずは流れに任せて知らない人ばかりの街に移住することになります。
当時の日本では恋愛結婚は珍しく、このように会ったことのない人と突然夫婦となる事は珍しくなかった。そんな時代で大丈夫なのか?すず?と観ているこちらが不安になるなか
すずは持ち前の能天気で力強く慣れない土地で懸命に生きます。
嫁ぎ先の夫 北條 周作 、母、父がとても優しかったこともありすずは日がたつにつれその現状に慣れ親しんでいきます。
戦時下の中日本は食料が配給制でした。
限られた食料の中から彼女は妻として家を支えます。
少ない食料で知恵を絞り生き抜く描写には制作側のこだわりを感じました。
そしてこの作品で一番印象的なのは人が死ぬことに慣れている人々の心情です。
自分の息子が死んでしまったことを悲しむ主婦友達もそれに対して悲しみの感情は勿論あるが戦争中である事がそれを(死)をいつも覚悟している人々の心理をうまく演出されていました。
結末
場所は広島。
原爆により地獄の様な場所で一人の母親と娘が辛うじて生き残っていました。
母はガラス片が至る所に突き刺さり肌も焼きただれ惨い状態。
娘を連れて地獄の様な道を進みますが遂に床に座り込みます。
その隣でずっと身を寄せながら待っている少女(娘)は母が死んでいることに気づかず健気にすり寄ります。しかし少女ヨーコは意を決して地獄の道を抜け放浪者として歩いていると
すず、周作夫婦と出会い養子(娘)として引き取られることになるのです。
沢山の命を奪った戦争のなかですず夫婦と周作一家はヨーコを可愛がり幸せそうな描写と共にエンディングを迎えます。
【この世界の片隅に】 評価
ストーリーは能天気でおっとりとしたすずの主観で描かれますが
それでも悲惨な状況に変わりなかった当時。
ヨーコもその被害者でした。そこで思いがけない出会い。
希望の様にも感じた娘ヨーコの幸せ、すず、周作一家のこれからの生活が豊かになる事を願わずにはいられないラストでした。
勿論、戦争はいけない。というメッセージを感じます。
そしてそんな中で一生懸命に生きていた国民の生活を追体験できる今作は非常に大切な事を考えさせる名作となっています。
未だに戦争を体験していた当事者がご存命です。
だからこそもう一度歴史。”過去”を知る事から教訓にしたいと感じました。
評価は9.2と高得点
邦画アニメーションとして 高畑 勲 、宮崎駿作品に負けない演出、ストーリーに感動しました。
又もう一度見たいと思わせるのも主人公”すず”の人柄からくるものなのかな?と今では思えます。
能年玲奈さんが声優として演じたすずはその性格が聲とリンクして素晴らしい登場人物になっています。是非一度見て欲しい作品ですね。